労働環境の改善に向けて
2016.8.28

労働環境の改善に向けて

一般的な認識として、医療や介護の仕事は大変なハードワークであり、ワークライフバランスの実現など夢のまた夢と思われがちです。そしてこのことは大変な問題であり、医療や介護の仕事に従事してくれる人が増えてくれないことには、2025年問題をソフトランディングさせることはできないのですが、この医療や介護のハードワークがボトルネックの1つとなっているのです。しかしこのことについてはそれほど悲観することはありません。なぜならば看護師や介護士の環境は近年大きく改善が進んでいるからです。

健康改善への取り組み

医者の不養生という言葉が昔からありますが、医療や介護に関わる仕事は他人の命や健康を取り扱っている仕事なだけに細心の注意が求められ神経を使います。そうして寿命が磨り減ってしまう部分は昔からあったのでしょう。そして現代はそれに加えて夜勤なども多いため医療従事者はなかなか疲れが取れません。また医療業界は人手不足ということもあってハードワークが常態化しています。
このままでは医療の仕事に就きたいという方が出てこないため、いつまでたっても人手不足が解消されません。そこで厚生労働省もこの問題に本格的に取り組むようになりました。まず省内にプロジェクトチームが発足され、関係審議会等での議論を進めています。その結果として各病院などが院内の労働環境を常にフィードバックを受けながら改善していくためのマネジメントの仕組みなどが生み出されました。

看護師の夜勤問題の解消

看護師が健康を崩しやすく仕事がハードな理由として、一番の原因は夜勤が多いことが挙げられるでしょう。確かに夜勤自体は入院患者の対応などもあるので仕方がないのかもしれませんが、せめてその回数は制限できるよう工夫を加えていかなければなりません。実際に国会では政治家がそのような声をあげ、法律的には本来看護師の月間の夜勤回数を8回までに制限されていたり、週の労働時間は40時間を目指すとされているのにそれが守られていないことを問題視する声が出始めています。

介護の身体的な負担の軽減

介護の仕事も大変な仕事の1つに数えられることが多いですが、その理由は時間的な拘束というよりも身体的な負担です。特に身体能力が弱ったために要介護になってしまった方の介護は入浴の支援や移動の支援などもあるため、どうしても体を大きく使い腰などに負担がきてしまいます。そこで政府はそうした状況の改善のために介護用の補助機器の開発や介護ロボットの開発に力を入れ始めました。これが実用化するようになれば介護士の負担は大きく減るはずです。

TOPICS

  • 労働環境の改善に向けて

    労働環境の改善に向けて

    昔から医療現場の労働環境は仕事の多さや夜勤の多さから給与は良いものの、決して好ましい状況ではないとされていました。しかしそれでは医療現場で働こうという人材が集まらないため、一部の政治家がそうした状況の改善に向けて提言を重ねるなど状況改善の兆しがみえています。

  • 需要増の医療業界

    需要増の医療業界

    現在日本は少子高齢化を進み続けており、また2025年には団塊世代が後期高齢者となる2025年問題も控えています。そうした状況で今医療業界は将来的に圧倒的な人材不足になるといわれており、特に看護師や介護士ではその傾向が顕著になるといわれています。もしこうした仕事に関心があるのであれば今がチャンスといえるでしょう。

  • 医療介護総合確保促進法の成立

    医療介護総合確保促進法の成立

    医療介護総合確保促進法という法律が施行されるようになりました。日本の医療システムはこのままでは持たないといわれており、各地域での包括的な医療と介護の連携システムを組み直す必要性が叫ばれています。そうした声を受け現場を改善するためにこの法律は施行されました。