需要増の医療業界
2016.5.18

需要増の医療業界

2025年問題はとても大きな影響を日本社会に与えることになるでしょうが、そのことを悲観ばかりしていてもいけません。既に国も医療体制の強化や変革などの対策を行い始めています。では一方で、こうした社会問題に対して個人はどう向き合っていけば良いのでしょうか。もちろんそこには様々な答えがあるのですが、1つの回答にこの問題に積極的に関与してその中で生きていくという方法があります。つまり、需要が大きく高まり社会から求められる医療や看護、介護の仕事に就くことで個人の生活を安定させ、さらに社会に対しても貢献するという生き方です。

期待される潜在看護師

看護師の不足に対して国は対策を進め本気でこの問題を解決しようとしています。何しろ2025年に団塊の世代が全員75歳以上となって、医療や介護の需要がますます大きくなっていくというタイミングで、看護師はこのまま行けば少なくとも3万人、多ければ13万人も不足するといわれているのです。
こうした状況に備えて2015年に行われた改革が、医療介護総合確保推進法の一部である看護師等の人材確保促進法の改正です。現在看護師の資格を持っている立場でありながら結婚や出産などの理由でその仕事に就いていない方も多くいます。そしてそういう方の多くは時期が来ればまた仕事に復帰するのですが、なかには看護師の仕事には戻らず他の仕事に就かれたり専業主婦を続けたりする方がいらっしゃいます。
そして2015年の改正で、こうした離職した看護師の情報を都道府県のナースセンターに登録し、何とか病院や医療の仕事に復職してもらえるよう定期的にアプローチすることが定められたのです。また、そうした看護師の情報をナースセンターがきちんと把握できるよう、まだ努力義務としてですが看護師には病院などの職場を離職する際にその届出をナースセンターにも提出することが求められるようになりました。

求められる介護士

高齢者が加齢によって身体が不自由になり要介護支援になった時に必要となる介護士も、看護師と同様に今後ますます不足していくことが予想されています。特に近年厚生労働省が発表した予測によれば、2025年度には介護に関係する仕事の人材が合計で約253万人も必要となってくるにもかかわらず、その仕事に就業している人の人数は215万人と、38万人も不足するというのです。
こうした問題を国や各都道府県も重く受けて止めており、例えば国会には関連法案の提出がなされたり、各都道府県も予算と財源を与えられた状態でこうした状態の解消を行うためのビジョン作成を行ったりしています。

TOPICS

  • 労働環境の改善に向けて

    労働環境の改善に向けて

    昔から医療現場の労働環境は仕事の多さや夜勤の多さから給与は良いものの、決して好ましい状況ではないとされていました。しかしそれでは医療現場で働こうという人材が集まらないため、一部の政治家がそうした状況の改善に向けて提言を重ねるなど状況改善の兆しがみえています。

  • 需要増の医療業界

    需要増の医療業界

    現在日本は少子高齢化を進み続けており、また2025年には団塊世代が後期高齢者となる2025年問題も控えています。そうした状況で今医療業界は将来的に圧倒的な人材不足になるといわれており、特に看護師や介護士ではその傾向が顕著になるといわれています。もしこうした仕事に関心があるのであれば今がチャンスといえるでしょう。

  • 医療介護総合確保促進法の成立

    医療介護総合確保促進法の成立

    医療介護総合確保促進法という法律が施行されるようになりました。日本の医療システムはこのままでは持たないといわれており、各地域での包括的な医療と介護の連携システムを組み直す必要性が叫ばれています。そうした声を受け現場を改善するためにこの法律は施行されました。